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 10=完全、4=安定
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日課の夜の散歩をしてきた。
夜はすべてがほんとうの姿をあらわしてくれる。
夜の暗さにかくれた者達のささやく声を聞くと魂が落ち着く。
森を歩いていると、コムプラチョ族を見かけた。
久しぶりに見たが、夜だけに狩りをする彼らの姿はやはり美しい。
幻のような速さで駆けていく彼らを見送る。
今日は満月だった。魔女の骨の様に白い月。
海辺の崖で、月の子に会った。
ずっと満月を眺めていたらしい。
彼に会うのは初めてだったが、不思議とそうでもない気もする。
どこか覚えのある空気を感じた。
そうだ、ウルージと似た、遠い空の空気。
月の子は林檎が好きらしく、おれにもすすめてきたが断った。
少しだけ話をする。
彼に言われた、おれの中の命はひとつでないだろうと。
それを感じ取った人間は初めてだった。
人間?人間なのだろうか?
月の子は人間のようであったのだが、その魂はなるほど地上よりは空に近い。
その髑髏のものよりもからっぽの目は、人間よりはいくらか神に近い。
その髪は、月と同じに魔女の骨の様に白い。
無数の屍の上を踊るようにあどけなく歩き、
無数の絶望の声を生まれた頃のままの無邪気さで笑う魂。
あまり見かけないような珍しい魂を持っていた。
彼はいつか月へとかえるのだと言う。
ほんとうのひとりぼっちになりたいようだった。
おれには理解できない。
猫に呼ばれたので家へ帰った。
月の子は月のことを「月」とは呼んでいなかった。
歌のような名で呼んでいたが、何と言っていたか忘れてしまった。
暗いうちにもう眠ろう。
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2010年10月04日 04:03 | ホーキンス | コメント:3 | Top↑

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